Chaco社では創業当時から環境に配慮しており、1つの製品と長く付き合っていけるように”Rechaco”(リチャコ)と呼ばれるリペアプログラムを行っております。Chacoサンダルには製品寿命に優れた素材が使われており、修理可能な設計である為、アメリカ工場でソールやウェビングのカスタムリペアが可能です。製品版では展開していないVibramソールを選んだり、昔人気のあったウェビングデザインを選んだり、カスタムリペアができるユニークなプログラムです。
アメリカのRechaco工場に届いたサンダルは、まず1足ごとに全体をくまなく点検されます。この時にサンダル本体にひびや割れが無いか?踵のすり減り具合はどうか?修理を希望する箇所以外に問題が無いか?などしっかりチェックされます。本体に破損があると、修理工程において大事なサンダルが壊れてしてしまうのでとても重要な工程です。
はじめの点検を通過したサンダルには、修理が正確に行われるように銀色のペンを使って直接サンダルの側面に補修作業がメモされます。
ソールを剥がす準備として、サンダルを高温のオーブンの上に置きソール部分を温めます。この工程で接着剤が柔らかくなり、ソールをきれいに剥がすことができます。Chacoサンダルの代表的なモデルの本体には丈夫なポリウレタン素材が使われている為この工程が可能です。
温められた接着剤が柔らかくなっているうちに、工具でくるくる巻き取る様に剥がします。Chaco社以外で修理した事があるサンダルには、通常とは異なる成分の接着剤が使用されている事があり、きれいに剥がせない事や、工程中に本体を破損させてしまう可能性がある為Chaco社では修理を受付ておりません。
こちらがソールがきれいに剥がれた状態です。履き続けたサンダルの形はそれぞれ微妙に形が変化しています。その為、新しく貼るソールは本体より一回り大きなサイズになっており、その後トリミングします。
新しいソールを接着する為に面をきれいにします。古い接着材を削り取ったり、踵がいびつに減っている場合はきれいになる様に調整します。
選んだデザインのウェビングは決められた長さにカットされます。
上(アッパー部分)
中(くるぶし部分)
下(かかと部分)
それぞれのパーツを専用ミシンで縫い合わせます。
負荷がかかる部分には特別な縫い方を採用しています。
部材や縫製もこだわって製作されています。
きれいに処理した本体とソールに特殊な溶液を塗ります。 次に接着材を塗布して完全に乾かします。
接着剤が完全に乾いたら、ソールを貼る前にウェビングを通していきます。スロットに通す際に結構力がいる作業です。
ソールと本体を接着剤の活性化のためにオーブンで加熱します。
プレスマシーンを使用して、ソールと本体を合わせてプレスします。この時、サンダルには約250キロの力が加わりますが、耐久性とクッション性が優れているChacoサンダルなので大丈夫です。
交換用のソールはサンダルより一回り大きくなっています。水をかけながら余分な部分を切り落としていきます。この工程が一番むずかしい作業で1回のアクションで1周すべてきれいにカットする必要があります。
Chacoサンダルの可動式ウェビング調整がスムーズにできる様に潤滑剤をスロットに流し込み動作を確認します。
本体のサイドウォールに優しく洗いをかけて、余分な接着剤や汚れを取り除きます。
メインストラップをサイド部分に縫い込んで最後の縫製となります。
余分な糸はきれいに処理されます。内側のくるぶし部分には肌に当たっても痛くならないように研磨されます。
技術者は、修理指示のメモを確認し、品質の欠陥がないかどうかをチェックし、サンダルが出荷可能な状態であることを保証します。
熟練の職人たちによってリペアが行われたサンダルが完成しました。
こちらは、現在製品では使用されていないVibrumソールをはり、ウェビング(ストラップ)も珍しいカラーに変更されました。